牧師のひとり言の目次
自分を大切に
「嫌われる勇気」という本がベストセラーになったそうだけれど、人に嫌われないようにすることが大事だという気持ちがすごく強いなと思う。親からそう教えられてきたからなのか、親がそうやって生きてきていたからなのか、自分のしたことや言ったことで相手の機嫌を損ねてしまったのではないか、自分のことを悪く思われるのではないか、なんてことをやたらと気にしてしまう。
相手に好意を持って欲しくて、無理をして格好いい所を見せようとしたり気の利いたことを言おうとしたりして、ぎこちなくなって逆に変な奴だと思われてしまったと感じることもある。
本当の自分を見られることを恐れて、嘘の自分をというか、格好いいと思っている一部分だけを見せようとしている。そして間違ったり失敗したりしたことはついつい隠してしまう。偽善者だなあと思う。
イエスが「わたしに良いことをしてくれたのだ」と言ったことがあった。それは自分の頭に香油をぶっかけた人に対してだった。その人は好かれようとかええ格好しようとか、そんなことさえもどうでもよくなっていたような気がする。そんな荒んだ気持ちでしでかしたとんでもない行為だったんだじゃないかと思う。ところがその行為をイエスは良いことをしてくれたと言ったんだと思う。
イエスは私たちの無茶苦茶な訳の分からない行為さえも受け止めてくれているのだと思う。イエスはそんなとんでもない大きな思いで私たちを受け止めてくれているようだ。
ばりばりの偽善者の自分だけれど、でもイエスはこんな自分を受け止めてくれている、大切に思ってくれているらしい。じゃあ自分でもこの自分を大切にしようかなと思えてくる。