牧師のひとり言の目次
分かりたい
「そもそも相手のことは分からない」、どこかの先生がラジオでそんなことを言っていました。話せば分かる、なんて科白を聞くこともありますが、自分の思いを的確に言葉にすること自体至難の業です。だから分からないということを前提にして、分かるように一所懸命に聞くことが大切だというような話しだったと記憶しています。
人間の思いというのは複雑で、その思い全てを言葉にすることは無理なことでしょう。そうすると相手の言葉の意味が理解できたとしても、それが相手の思いの全てではないということになります。ましてその言葉が思いとは裏腹であったりもするわけで、相手のことを簡単に分かると思うこと自体が思い上がりなのかもしれません。
そんな相手に、良いとか悪とか、ああしろとかこうしろとか、分かった気になってピントはずれなことを言ってきたのではないかと危惧しています。
そもそも相手のことを分かりたいという気持ちがあるか、相手を大切に思う気持ちがどれほどあるか、そこが一番問題なのではないかという気がします。