牧師のひとり言の目次 

ちょっと上を向いて歩こう


 昔を振り返っては、いつも過去の失敗に元気を吸い取られているような気がしている。後ばっかり見てないで前を向かなきゃとは思うけれども、この先どうなるか考えても無力で無能な自分には心配なことばかりで、前を向いてもなかなか元気が出ない。後にあるのは失敗と後悔ばかり、前にあるのは不安と恐怖ばかり、というように感じる。
 問題は前を向くか後ろを向くかではなく、下を向くか上を向くかではないかという気がしている。しかしどうやったら上を向けるのだろうか。涙がこぼれないように上を向くというのは苦しいし、それだと上を向いていても涙で何も見えそうにない。
 歌にあるように、人間は一人ぽっちだからこそ下を向いてしまうのだろう。一人ぽっちと思うからこそ涙を流すしかないのだろう。

 でもそうやって涙を流す時でも本当は私たちは一人ぽっちじゃない、私たちには「世の終わりまで共にいる」と言ってくれるイエスがいつも一緒にいてくれている。だから私たちは決して一人ぽっちにはならない。聖書はそのことを私たちに伝えてくれている。
 「だから下ばかり見るんじゃなくて、ちょっと上を見てごらん、私がいるのが見えるだろう?」イエス・キリストは私たちにそう語りかけてくれているに違いないと思う。