牧師のひとり言の目次 

嫌われる


 少し前「嫌われる勇気」という本が出たという話しを聞きました。確かに嫌われるにはかなり勇気がいるだろうなと思います。
 人に嫌われることは悪いことだと思ってきました。嫌われないようにしろと言われた記憶はありませんが、そうするように教えられてきたように思います。
 相手を怒らせないように、相手に迷惑をかけないように、相手の意に沿うように、相手に悪く思われないように、いつの間にかそんな気持ちが板についています。そして相手の反応を気にし、相手の顔色をうかがい、相手に嫌われないようにすることを目指してきました。
 一つのミス、一通のメール、ふとした一言、そういうもので相手を怒らせたり、がっかりさせたんじゃないかと心配していたのに、相手は何も気にしてなかったなんてこともよくあります。
 なんだかまるでDV(家庭内暴力)を受けている被害者が、自分が悪いから仕方ないのだと思っているのと似ているような気がします。そこで自分のしたいことではなく、相手を怒らせない不機嫌にさせない方を選んでしまいます。相手は不機嫌にはならないかもしれませんが、その分自分の気持ちを押さえ込んで自分を不機嫌にし、自分で自分を苦しめています。
 イエスは私たちに、お前が大事なんだ、お前が大切なんだ、と言ってくれているようです。だから自分を苦しめないで欲しい、本当の自分を大事にして欲しい、きっとそう言ってくれています。