牧師のひとり言の目次 

なるほど?


 この前ラジオを聞いているとある精神科医が出ていました。その人は本を書いたりテレビに出ることもあって、そこで対談をすることもあるということでした。
 ある時そのテレビのスタッフがそのお医者さんに、「先生は相手の話しに興味がなくなってくると、『なるほど』ということが多くなりますね」と言ったそうです。
 お医者さんはそれまで自分では気付かなかったそうですが、本当は興味がないのにあなたの話しはちゃんと聞いていますよということを敢えてアピールするために『なるほど』と言っていたんでしょう、それだけ相手に自分をよく見せたいという気持ちがあるんでしょう、というような話しをしていました。

 人の話しを聞くのは本当に大変だなと思います。相手が言いたいことをしっかりと受け止めるのはとても難しいです。人の会話を第三者として外から聞いている時には、この人が言いたいのはそういうことじゃないだろうとか、最後まで聞いてあげればいいのにとか、原因を知りたいんじゃなくて気持ちをわかって欲しいんだろうに、なんて思うこともあります。自分が聞く側になる時にはどうなんでしょう。気がつかないうちに「なるほど」の類のことを言ってわかったような顔をしてるんでしょうね、きっと。

 しかしこのお医者さんはすごいなあと思います。何がすごいってスタッフの指摘をしっかり聞いてることです。自分だったら人からの指摘をこんなに素直に聞くことなんかできません。