牧師のひとり言の目次 

斜 め

 人という字は人と人が支えあってできている、なんてことを聞いたことがあります。でも本当は人を横から見た姿からできた字だそうです。
 人という字がどうできたかはともかく、実際には人はその字のように支え合うことで生きています。そして支え合うということはお互いがまっすぐに立っているのではなく、斜めになって倒れそうになっているから支え合うようになっているのだろうと思います。

 人はまっすぐに立つことができない生き物なんじゃないかと思います。いつも優しく、柔和で、周りに迷惑をかけないで、女らしく、男らしく、子どもらしく、大人らしく、正直に、そんな風に正しくまっすぐに立っていられればいいのかもしれませんが、なかなかそうはできません。いつも間違い、失敗し、傷つけ、傷つき、迷惑をかけ、嘘をついて生きています。そんな風に正しくできず斜めになって倒れそうになりながら生きています。
 そうやって斜めになって倒れそうな者同士が支え合う、実はそれこそが人間の本当の姿ではないかと思います。そうやって倒れかかった者同士だから支え合うことができるように思います。
 それを愛と言うのではないでしょうか。傷つき苦しんだ者でないと倒れかかっている相手の心はわかりません。倒れかかって斜めになっている者でないと愛することはできないような気がします。