牧師のひとり言の目次 

不元気

 久しぶりに人に会うと、よく「元気?」って聞かれる。自分から聞くことも多いけど。ほとんど挨拶のように使っていて、少し前までは元気がない時でも「元気です」って答えていた。でも最近は「元気ない」と答えることが多い。「元気ない」と答えるとびっくりした顔をされて「どうかしたのか」と聞かれるので「いつものように不元気」と言うと安心される。
 元気でいることが正常で当たり前、そうでないのは異常だというような気持ちがある。病気になったり怪我したり、さらに落ち込んでいたりするのは非常事態で、そんな非常事態から早く解決して正常に戻さないといけないというような気持ちがある。
 しかし現実にはいつもどこかに異常をきたしていて、いつもなにか不元気を抱えている。でもそれこそが人生のような気がする。
 元気モリモリで有頂天になると、とんでもないへまをしでかしたり周りの者を傷つけたりすることが多いような気がする。元気なだけだとろくなことはない。人は不元気を持っていてこそ優しくなれるし人間らしくなれるような気がする。
 だから不元気を持っていてもいいじゃん。というよりも不元気をなくしちゃいけないんじゃないかと思うようになってきた。弱さや痛み、疑いや不安を持っていてこそ人間なんじゃないかと思う。