牧師のひとり言の目次 

ええかっこしい

 人からよく思われるために、悪く思われないために、ついつい知ったかぶりをしてしまう。本当は落ち込んでいるのに元気な振りをしてしまう。本当は憎たらしいのに何とも思ってないような態度をしてしまう。ただただ相手に嫌われないように、相手からの評価が下がらないように繕ってしまう。
 嫌われたらどうしよう、見損なわれたらどうしようなんて思っていると、ついええかっこうをしてしまう。でもそれは自分の駄目さをひたすら隠そうとする、とても疲れてしまう生き方だ。誰に対してもええかっこうをしていると気の休まる暇もない。
 こんなこともできない、あんなことも知らない、そんな駄目な自分を相手に知られることはいやなものだ。けれでも自分の駄目さを知られている人の前だと無理して繕う必要もないので疲れることもない。
 神さまはきっと何もかも知っている。だから何も隠す必要はない。神さまの前ではどこよりも一番ありのままでいられるはずだ。全部知られているってことは、恥ずかしいことでもあるけれど、安心できることでもあるような気がする。特にええかっこしいにとっては。