牧師のひとり言の目次 

笑 い

 失敗したり間違ったりしたとき、とっさに頭に浮かぶのはいろんな言い訳だ。いろんな言い訳を考えて、これは仕方ないことなのだと納得させようとする。でもそう簡単に納得できないことも多い。言い訳は相手には通じても、なかなか自分には通じない。間違った自分を認められないでいつまでも自分を責めることも多い。
 「自分を笑えるものは他人に笑われない。」というタルムードの言葉があるそうだ。しかし自分を笑うというのはすごいことだ。教会では「私は罪人です」って言うけれども、心底それを認めることは結構難しいじゃないかと思う。他の人に比べたらまだましですが、って気持ちになりがちだ。だから間違ったときは一所懸命に弁解する。それは、こんな間違いばかりの自分は見捨てられるに違いないという恐れがあるからではないだろうか。
 神は間違いだらけの私たちを愛しているという。こんな私たちでも決して見捨てはしないという。見捨てられることはないということが分かれば、自分の間違いも失敗も弱さも認められ、自分を笑うこともできるのではないか。そしてそんな風に自分を笑える人ほど、逆にまわりから認められるような気がする。