牧師のひとり言の目次 

言 葉

 人を感動させるいい文章を書きたい、人をうならせるようなかっこいい文章を書きたいと考えているのになかなか出てきません。でも、ただかっこいいだけの文章が人を感動させるなんてこともないんでしょう。
 ただのきれい言や決まり文句を聞いても胡散臭いと思うだけです。どれほど正しい言葉でも、相手を懲らしめようとか改心させようなんていう魂胆を持っていると反発を食らうようです。
 昔はテレビのインタビュー番組が嫌いでした。人の話しを聞くことに何の意味があるのかと思っていました。でも最近はいろんな人の話しを聞くのが面白くなってきました。失敗したり成功したりいろんなことを経験した上で、そこから滴るような言葉ってのはとても興味深いものがあります。
 感動したり教えられたり癒されたりするのは、きっとその人の人生そのものから絞り取られたような言葉です。そんな言葉は綺麗でなくても、かっこよくなくても光っているようです。
 借り物の言葉は心に響きません。相手の心に届くのは、自分の心の底から出た言葉だけなのかもしれません。