牧師のひとり言の目次 

宝 物

 子どもの頃の宝物は何だったかな。これといって思い当たらない。宝物の箱を開けて、しばし中の物を眺めたなんて記憶もない。
 でも最近自分の宝物に気が付いてきた。苦しくなった時や落ち込んだときなどその宝物に思いを馳せる。それは現代国語の宿題に二重丸をつけてもらったことや、説教の賜物があるとメモを貰ったことや、自分の言葉に勇気づけられたとか感動したと言われたこと、そして神さまからのそのままのお前がいいと言われたことなどだ。そんな極々たまに見つかる宝物を箱にしまっておいて、疲れ果ててしまったり、何もかも思うようにいかなくて自信をなくしたとき、いつまでたってもどうにも元気が出ないときなどには、しばし箱を開けてその宝物を眺めている。そうすると少し元気が出てくる。どれもこれも誰かから貰ったものばかりだ。
 今度は誰かに宝物をあげられるようになれればいいな。