牧師のひとり言の目次
氷 山
氷山は9割が海面下にあるそうだ。だから見えているのは氷山の1割なんだそうな。だから氷山にぶつかるとその衝撃は大きいということなのだろう。氷山で見えているのは文字通りほんの一角でしかないということらしい。
人間も目に見えている部分は氷山の一角であることが多い。表面に出てくる行動の下には、それよりも遙かに多い見えない部分が隠されているということだろう。
誰かが問題となるような言動をした時にただその発言や行動を叱るということが多い。けれどもどんな言動にも、目に見えない大きな思いが隠されている。心の嘆きや淋しさや恨みが隠されていることも多い。だからそんな言動をしてはいけないと言って目に見える部分だけをなくしても本当の問題は解決されない。水面下に隠れている嘆きや淋しさや恨みなどを見ていくこと、そんな心の叫びを聞いていくこと、そこから初めて問題が解決へ向かって行くのだと思う。
見える部分から見えないものがあることを思い浮かべる想像力が必要なのだろう。人間は見える部分だけで成り立っているわけではないという、そんな薄っぺらな単純な生き物ではないという、そんな人間の尊厳を大切にする心が必要なのかもしれない。
♪見える目を我に与えたまえ・・・♪(新生讃美歌147)