牧師のひとり言の目次
聞くこと
中学か高校の国語の教科書に詩が載っていて、その時に先生が、行間を読め、てなことを言っていた。しかし当時はなんじゃそれ、訳がわからんという感じだった。
人は主に言葉を使って自分の意志を伝えている。しかしその言葉というのがなかなかの曲者で、自分の言いたいことや自分の気持ちを完全に伝えてはくれない。相手が自分の言った通りに聞いてくれないことも多い。
そもそも自分の言いたいことを言葉に置き換えること自体ほとんど不可能なことのように思える。言葉とは自分の言いたいことのほんの一部分でしかないようだ。そうならば相手が発した言葉が全てではないということになる。相手の言いたいことを知るには、言葉にならない声までも聞いていかねばならない。行間を、つまり心を聞いてゆかねばならない。それは相当に難しい。
そんなに大変ならちゃんと話してくれればよかったのに、なんて言葉を聞くことがある。でも本当の原因は言葉にならない声、言葉にできない声を聞けなかった聞く側の問題ということがよくあるように思う。
心を聞くこと、それはきっと愛することでもある。