牧師のひとり言の目次 

エコノミックアニマル

 昔スーパーでアルバイトしていた時の時給は500円、夕方6時から9時半までで一日分の給料は1750円でした。
 設計部で働きはじめた頃、図面だったか仕様書だったかを新しく書いていたら上司から怒られたことがありました。参考になるものをコピーして必要なところだけ修正した方が早いというわけです。なるべを時間をかけるな、時間をかけるということはそれだけ金がかかっているというわけです。コピー代を節約したつもりが、逆に人件費をかけているということのようでした。
 企業だけではなく、今の世の中は何もかもお金に換算してものごとを考えるようなところがあるように思います。損になることはやってられない、そして儲かることを第一に考え、それこそが価値のあることのように考える風潮があるように思います。何をするにしてもお金に換算し、まずお金の計算をしてしまうようなところがあります。日本の企業だけではなく、自分自身もエコノミックアニマルだなと思うこのごろです。
 約束の時間に遅れないためにタクシーを利用することは決して無駄遣いではない、と言う人がいました。なるべくお金を使わないことを第一に考えてしまう者にとってはびっくりする言葉でした。
 すっかりお金に縛られ、お金でしかものを考えられなくなってしまっているようです。お金よりも大事なこと、お金に換算できない大事なことを見失っているのかもしれません。こういうのをきっと富に仕えているというのでしょう。すっかり神を憎み、軽んじているのかもしれません。
 「だれも、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」(マタイによる福音書6章24節)