牧師のひとり言の目次
共 感
誰かの気持ちを考えることがなかなか難しい社会であるらしい。自分もその社会の中にどっぷりと浸かっているので自分がどれほど人の気持ちを分かっていないのかさえも分かりづらい。「失敗の最もたるものは、失敗したことを自覚しないことである」なんていう言葉もあるが、人の気持ちを分かっていないことさえ分かっていないのが実状なのかもしれない。
教会は新しい人に教えてやろうという気持ちが強すぎるのではないか、と言っていた人がいた。また苦しむ人に対しては、助けてやろうという気持ちを持って接しているのではないかという事も聞いたことがある。
私たちは正しくあるということには一所懸命だ。いつも減点されてきたせいかもしれないが、自分に対してもそうかもしれないが、他の人のことの間違いを指摘することは大得意だ。それは間違っている、そんなことしてはいけないということをつい言ってしまう。まるでマニュアルでもあるかのような大義名分を言ってしまう。しかしそんなマニュアルはほとんど助けにはならず、却って反感を抱かせることになる。
マニュアルは相手を無理矢理に変えようとする。しかし共感することは自分が変わることだ。自分の気持ちを相手と同じ気持ちに変えることだ。そこで初めて相手の力となり助けとなることができる。相手が変わるとすればきっとその後だ。
などと言いつつ、いつもわかったような偉そうなことを言ってしまう私です。