牧師のひとり言の目次
しなやか
最近の子ども達は骨折をしやすくなった、その原因は骨が硬くなったからだと聞いたことがある。骨が堅くなり柔軟性がなくなった、しなやかでなくなったので、力が加わるとすぐに折れてしまうということだったと思う。
確固たる信念を持ちたいと願う気持ちがある。誰から何を言われようとびくともしない信念を持ちたいと願う。
しかしそうやって堅い信念を持つこと、なにがあってもびくともしなくなること、硬くなることは、いかにも強くなったようでありながら実は逆にもろくなっていっているのかもしれない。どんどん柔軟性がなくなっているのかもしれない。
誰かから何を言われようとそれを受け付けない、どんなことがあっても揺らがない、それは一見強くなったようで、実は逆にもろくなっているのかもしれない。
その道の権威ほど、自分の間違いとか未熟さを素直に認めるように思う。そんな人ほど、それは知らない、分からないということを隠そうとしていないように思う。
どんな時にも信念を貫き通す、何が何でも自分は正しいんだと思う、なんてことほど危ないものはない。「失敗の最たるものは、失敗したことを自覚しないことである。」なんて言葉もある。
傷ついたり傷つけたり、間違ったり正しかったり、失敗したり成功したりするのが人生だろう。風や雨に打たれ揺れている、しかし根っこは支えられている、そんなしなやかさを身につけたい。
魅力的な人は、間違わない人間ではなく、自分の間違いを認めることのできる人間のように思う。しかし実に難しい。毎日の柔軟体操が必要なのかもしれない。