牧師のひとり言の目次
競 争
優秀な人間ってのはどういう人間なのか。私たちが目指すべき目標とすべき人間とはどんな人間なのか。
誰かより、みんなよりいい点を取ることが優秀なのか。周りより速くできることが優秀なのか。
それこそが優秀であるという雰囲気の中で育ってきた。みんなより速く、高くあることが目標だった。いつも競争していなければいけなかった。いつも周りを気にしなければいけなかった。周りよりも正しく間違いなくいることを目指してきた。周りよりも多くの事を知っていること、多くの物を覚えていることが優れた者だと思ってきた。だから周りよりも自分が正しいことで安心した。周りの間違いを知ることで安心した。周りの間違いを指摘することは自分の正しさを証明することでもあった。逆に自分が間違うこと、自分の間違いを周りに知られることは敗北だった。いつも勝利していないといけないという気持ちがあった。
競争社会を生きてきて、その感覚がすっかり板についている。いつもいつも自分の正しさと、周りの人間の間違いを気にしている。自分がどれほど正しいか、周りに勝っているかどうかばかりを気にしている。だから周りの者に対しては間違いを糾弾し、文句ばかりを言っている。そこには愛はない。周りとの繋がりはない。共に生きていこうという姿勢はない。
競争だけでは人は孤立するしかない。そこには愛もぬくもりも入る余地がない。この世の原則は競争なのか、それとも愛なのか。隣人は競争相手なのか、愛する相手なのか。