牧師のひとり言の目次 

ありがとう

 ありがとう、と言うのが下手です。子どもの頃、何かを貰うとすぐに親からありがとうと言いなさい、と言われていました。そう言われるほど余計に言えなくなっていました。うちの子はありがとうも言えない、とも言われたことがあります。ありがとうは気合いを入れて勇気を出さないと言えない言葉になってしまいました。何気なくありがとうと言える人を羨ましく思っていました。
 どうしてそうなったのだろうか、とずっと思っていました。言えない自分が悪いのだと思っていました。でも先日母親の一言を聞いて、もしかしたらそのせいかもしれないと勘繰っています。その時母は貰い物をしたときにありがとうよりも先に気の毒だと言っていました。
 先日おもしろい言葉を見つけました。
 「子供は両親の言うことをちゃんと聞いたことなどないくせに、両親の真似を仕損なうことはない。」
 全くその通りだ、という気がします。子どもに要求することがなんと多いことでしょうか。なぜ多くを要求するんでしょうか。しかも自分に出来もしないことまで。
 先ほどの言葉が本当なら、子どもに要求することを自分がしていればいい、ということになりそうです。親がそれをしていれば子どもがその真似を仕損なうことはないそうですから。
 ありがとうって言っているかなと改めて考えるとあまり言ってない気がします。感謝する心が鈍くなっているのかもしれません。