牧師のひとり言の目次 

一歩前へ

 山を歩いて登っても景色は少しずつ変わってくる。ふもとからは見えないものが次第に見えてくる。一歩踏み出すことで少しずつ景色が変わる。そして気がつくとすっかり違った景色になる。
 大変そうなことを目の前にすると、出来ない、駄目だ、おしまいだ、どうにもならない、と叫ぶ。何もしないうちにそう決めてしまう。そんな時はじっと立ち止まったままだ。ふもとに立ったまま、頂上までの道が見えないので登れないと決めているようなものだ。
 一歩を踏み出すことで本当は景色も変わってくる。一歩前に出ないと景色は変わらない。どんな景色になっていくかはそこに行ってみないと分からない。出来るか出来ないかはやってみないと分からない。
 しかしその一歩がなかなか踏み出せない。一歩を踏み出す力はどこから出てくるのか。踏み出せと言われて出るものなら誰でも出せる。事はそう簡単ではない。一歩はなかなか重い。
 「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたし〔イエス・キリスト〕のもとに来なさい。休ませてあげよう。」(マタイによる福音書11:28)