牧師のひとり言の目次 

しあわせ

 みんな幸せになりたい、と思っているではないでしょうか。でも自分が今幸せだと思う人はあまりいないみたいです。
 もっと金持ちになれば、もっと地位が上がれば、もっと立派なことが出来るようになれば、あるいは子どもがいい学校に合格すれば、社会がもっとよくなれば、そうすれば幸せになれるのではないか、漠然とそんなことを考えます。幸せになるために足りないものがまだまだいっぱいあるような気になっています。
 時々無性にある何が欲しくてたまらなくなるときがありました。それを手に入れればとても幸せな気分になれるに違いないと思いました。でもそんな気分はそれを手にした一瞬だけで、幸せな気分に浸るなんてことはまるでなかった、ということを何回も経験しました。
 今持っていないものを手に入れることで幸せになれるような気がします。でもそれは多分幻想で、手にした瞬間に次の物が欲しくなってしまいそうです。何かを持つことではどうも幸せにはなれないような気がします。たとえ全世界を持ったとしても。
 本当は幸せは遠くにあるわけではないようです。本当は手許にあるような気がします。手許になければ遠くに行ってもきっとないでしょう。今の自分に幸せを見つけられるかどうか、今の自分を幸せと思えるかどうかが問題のような気がします。条件が整った所に幸せがあるわけではなく、自分が幸せだと思える所に幸せがあるみたいですから。