牧師のひとり言の目次 

恐れるな

 立派に振る舞っている人に会うと緊張してしまう。なんだか自分の駄目なところを責められそうで。何も言われなくてもどっと疲れてしまうような時がある。
 なんだかいつもそんな恐怖心を持っている。だからなのか人に会うのがたまらなく億劫なことがある。自分を否定されることを恐れている。自分の根底を揺さぶられる思いがする。ここも駄目、また駄目、全然駄目、もっとやらねば、まだまだ足りない、そんなことでどうする・・・。いつまた聞かされるかと思うといたたまれなくなる。自分の存在を否定されてしまいそうな恐れに身が縮む。だから決して否定されないように振る舞おうとする。人によく思われるため、人に悪く思われないためには本当の自分を隠し、そうあらねばならない自分を演じる。たとえその時の評価がよくてもそれは本当の自分への評価ではないことを知っている。
 そのままを認めてもらったという思いがないせいだろうか、本当の自分を受け入れてもらえるかどうか不安なのだ。
 安心できる場が欲しい。全てを受け止め包み込んでくれる場が欲しい。自分の存在を徹底的に肯定してくれる絶対的な相手がほしい。ありのままの自分を認めてもらうことで安心できる。
 
 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。…」(ルカによる福音書2章)