牧師のひとり言の目次 

おかしい

 入院のお見舞いに鉢植えを持って行ってはいけない、と聞きます。病院に根付くといけないから、でしょうか。一体誰がそんなこと言い出したんでしょうか。そういえばただの語路合せによってしてはいけないことになっていることがたくさんあります。でも見舞いに行く人も、本当は長持ちする花の方がいいのではないかと思いながらいやな思いをさせてはいけないと気を遣って切り花にし、入院している方も、本当は鉢植えの方がいいと思っている、としたらどうなんでしょうか。何かに縛られてお互いが本当は望んでいないことをしているということになります。本人に確かめればいいのかもしれませんが実際はなかなかそうもいきません。もちろん気にする人に鉢植えを持って行くつもりはありませんが。
 相手が一番望んでいることを、そして自分もそれをしたいと思うことをできなくさせているものってのは一体なんなのでしょうか。そんなよくわからない縛りがいろいろあるように思います。彼らは常識とか習慣とか世間体というような服を着て私たちを縛り付けているような気がします。私たちも時には神の声よりも彼らの声を大事にしているのかもしれません。本当に大事なことかどうか、一番大事にするべきはなんなのかを吟味する必要があるのではないでしょうか。疑ってみることでことの本質が見えてくることもあります。
 おかしい、と思える心を持っているかどうかが問題なのかもしれません。
 《「お見舞いに鉢植えを持って行った」わたし》