牧師のひとり言の目次
迷 惑
たばこの箱には「健康のため吸いすぎに注意しましょう」というようなことを書いているそうな。
ところがこれに対して怒っている人がいた。そんなことはわかって吸っているんだから書かなくてもいいじゃないか。そんなことより、「周りの人の迷惑にならないように注意しましょう」と書くべきだ、と。
もっともだ、と思う人はだいたい嫌煙家でしょうか。所構わず煙りを吐いている人には困ってしまいます。歩きながら吸っていることで周りが迷惑しているなんてことは考えないんでしょうねえ。自分では気付いていないからこそ堂々と吸えるんでしょうが。
ということは自分だって気付かないうちに人に迷惑をかけていることがあるのかもしれない、ということなんでしょうか。何気ない一言や、ちょっとした仕草が人を傷つけているのかもしれません。でもそんなことばかり考えていると人生は全然楽しくありません。あるいは仕方ないことなんだと開き直ってしまえば楽なのかもしれませんが、そう簡単に開き直ることもできそうにありません。
でもやっぱり人間は誰かに迷惑をかけながら生きているわけで、迷惑をかけずに生きるなんてことは所詮できない相談でしょう。ならばどうやって生きていけばいいのでしょうか。
「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」(マタイ7:12)
これって迷惑をかけながらでもできる。