牧師のひとり言の目次 

神は愛

  神学生の時、何度か礼拝の説教をしました。神学校のひとりの先生のいる前で3回位説教をしました。説教の後、その先生は決まって自分の方から近寄ってきて「浅海君、良かったよ」と言ってくれました。
 ある人はそこの教会での初めての説教の数日後に、「あなたには説教の賜物がある」というメモを渡してくれました。その後、時々評価してくれる言葉を聞いたことがあります。もちろんそうしょっちゅうあることではありませんし、批判されたり何も言われないことの方が断然多いのですが、しかし何度か聞いた自分の説教を認めてくれる言葉があったからこそいまだに説教を続けられているのだと思います。説教のことがいつも心配で投げ出したくなります。でもそんな時にかつての言葉によって力づけられています。それらがなければとっくに投げ出していたかもしれません。
 自分はこれでいいんだろうか、と思うことほど不安なことはありません。しかし人は自分がここにいていいのか、このまま生きていていいのか、そんな不安を誰もが持っているのではないでしょうか。そしてそんな不安が何かをする力を、そして生きる力をも奪い取っていきます。
 そんな私たちに聖書は、神は愛である、神はあなたを愛していると語ります。人間を根底から支える言葉がそこにあります。神は「お前が大事だ、お前はお前でいいんだ、安心していきなさい」と語り掛けています。