牧師のひとり言の目次
現 実
「土から離れては生きていけない」、天空の城ラピュタという映画に確かそんな台詞がありました。
大空を飛びたいというのは人類はじまって以来の夢だとか聞いたことがあります。空高く舞い上がることができればどんなに気持ちがいいだろうかと思います。地上を離れてラピュタのような空に浮かぶ城で暮らしてみたいと思います。
地上のしがらみやどろどろした人間関係、自分自身の暗い過去や自分の罪からも解き放たれた世界に行ってみたいと思います。
そんな天にも昇る気持ちにさせてくれるものを求める気持ちがあります。しかし現実を無視し、或いは現実を誤魔化し現実から逃げていても、そこにはきっと幸せも喜びもありません。それは麻薬に溺れることと同じです。それでは本当は生きていけないのかもしれません。イカロスの翼が融けてしまったように、現実から遠ざかろうとすればするほど命の危険が待っているのかもしれません。
大地にしっかりと足をつけて生きていくことがきっと大事なのです。問題のあろうとその中で現実を見つめて生きていくことが大事なのです。神は、空に舞い上がる翼ではなく、この地上で生きていく力を与えられるのだろうと思います。