見える目を

　５月15日は沖縄が返還されて25周年となる日だったそうです。｢核抜き、本土並み｣という言葉は一体何だったのでしょうか。そんな言葉を信じるほうが悪いのでしょうか。世の中そんなに甘くはないのでしょうか。
　そう言えば耳触りのいい言葉が氾濫しています。｢民主主義国家｣｢平和な国｣｢経済大国｣・・・。日本はいい国になった、と言われています。そう思ってきました。学校でもそう習ってきました。でも本当にそうなのでしょうか。
　沖縄に基地を置き続け、豊島に産業廃棄物を置き続け、福井に原発を置き続け、それでいて便利で安全で豊かな国になったと言っていていいんでしょうか。自分が便利になったから、自分が危険でないから、自分が金持ちになったから、それでこの社会はいい社会だといえるのでしょうか。そう言ってしまっていいのでしょうか。
　何となくいい社会である、いい国であると思ってきました。しかし実際は誰かを犠牲にし、誰かに重荷を負わせてきた社会であることが少しずつ見えてきたような気がします。それまで見ないできたのか、あるいは見えなかったのか、それとも見ようとしなかったのか。
　イエス・キリストはこんなことを言いました、「しかし、今、『見える』とあなたたちは言っている。だから、あなたたちの罪は残る」。