牧師のひとり言の目次 

いいって、いいって

 こんなんでいいんだろうかといつも不安です。誰かに、それでいいんだ、と言ってもらわないと安心できません。
 親にそう言われてきた人はきっと幸福な人です。だめだと言われ続けたきた人はきっといつも不安でしんどい人生を送ることになります。これでは駄目だ、まだ駄目だ、まだまだ駄目だと思い続けることほどしんどいことはありません。
いつも誰かから駄目だと言われるのではないかとびくびくしっぱなしでいることほど疲れることはありません。いつも誰かから責められるかもしれないとなると、誰に会うにも緊張します。
 どれほど立派になれば、どれほど偉くなればいいのか、それも分からないままにただ漠然と駄目だと思うことがあります。何が駄目なのかも分からないのに駄目だと思っていたりします。
 神学校で「いいって、いいって」という言葉が流行していました。「いいよ、いいよ」といったところでしょうか。誰だって駄目だと言うに違いないと思えるような時でも「いいって、いいって」と言う人がいました。その言葉を聞くともう少しやってみようかという気持ちが起こってきました。人間は充分に安心できるところに生きる力とやる気が湧いてくるように思います。
 聖書からも「いいって、いいって」と聞こえてくるような気がします。