牧師のひとり言の目次
命の言葉
一人の人の言葉で傷つき、一人の人の言葉で大空に舞い上がるような気持ちになることがあります。母親に1枚の絵を誉めてもらったことで有名な画家になった人もいるそうです。
言葉は単なる文字でもあります。あるいはまたただの記号であったりもします。でもきっとそれだけではありません。言葉の中にその言葉を発する者の気持ちが込められると、それは単なる文字でも記号でもなくなります。
《イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。」》(新約聖書マタイによる福音書4:4)とあります。なんと神の口から出る言葉は文字でも記号でもなく、単なる神の気持ちでもなく、人を生かすものだとあります。食べ物がないと生きていけないように、これがないと生きていけない、神の言葉はそんな言葉だと言うのです。
聖書はそんな命の言葉が詰まっている本です。料理番組を見ていてもお腹が満たされないように、聖書もただの文字として眺めるだけでは生きていけないのかもしれません。