牧師のひとり言の目次 

ああ、忙しい

 気持ちよく晴れて風もあまりなかった先日、庭に椅子を出し娘と並んでひなたぼっこを楽しみました。久しぶりにゆったりとした気分で本を読んでいました。普段いつも何かに追われているような気分で忙しい忙しいと思っていますが、この日のひなたぼっこは気分を落ち着かせてくれました。
 忙しいことを自慢しても、忙しくないことを自慢する人はいません。忙しいことは人に威張ることのできるかっこいいことです。でも忙しくしていないと不安な気持ちになることもあります。動いていないと倒れてしまいそうな、立ち止まっては失格になりそうな、何かをしていないと認められないような、そんな漠然とした不安感があります。何もしていないと落ち着かず余計に疲れることもあります。
 それは自分に対して安心感がないからかもしれません。ゆっくりと休める場所がないからかもしれません。じっとそこにいるだけでいいという安心できる場所がないと休むことはできません。足が地面に届かない高い自転車に乗って走っている様なものです。疲れても疲れても止まることができません。
 イエスは「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」と言います。人間には休みが必要なようです。きっと立ち止まってボーッとする時間が必要なのです。多分そこで人間らしさを取り戻すのです。