牧師のひとり言の目次 

戦 争

 先日、戦争中に強制連行され日本の企業で働かされた中国人や朝鮮人たちに対して、日本の企業は賠償をしていない、というテレビがありました。企業の社史にも当時のことが書かれているものはあまりない、ということでした。
 日本の戦争に対する態度は概ね似たようなもののようです。自分だけが悪いのではない、当時はそんな世の中だった、戦争が悪いのだ、といった言い方をよく聞きます。自分が悪かった、間違っていたということをなかなか認めません。水俣でも薬害エイズでもそうでした。
 私も同じ日本人です。自分の間違いを認めたくありません。なんとかうやむやに済ませたいと願う気持ちをいつも持っています。自分の間違いにどうにかして向き合わないで済ませたいと思っています。自分の弱さ、醜さに正面からぶつかりたくないと思っています。
 学校に行かなかった時、自分がこうなったのも社会が悪い、親が悪い、学校が悪いといって、何でも人のせいにしていました。ところが人のせいにしている間は何にも変わりませんでした。何も進展しませんでした。逃げている間は何も良くなりません。
 日本はいつまで逃げるのでしょうか。いつになったら良くなるのでしょうか。
 「戦争」が人を苦しめるのではありません。人が苦しめるのです。