牧師のひとり言の目次
苦労、苦闘
大学に入ってみると同級生に一浪だとか二浪だとか言うものがいました。入試に失敗したので浪人した者たちです。入学してだいぷたってからおもしろいことに気がつき始めました。現役で入った者よりも浪人してた者の方がどことなく暖かいというか、やさしさというかそんなものがあるのです。全員がそうだとは言えないとは思うのですがやっばり何か違うのです。人間的な大きさといったようなものを感じるのです。多分それは大学入試で失敗を経験しているところから来るのではないかと思うのです。
最近はなんだか失敗しないことを目指していることが多いように思います。成功することよりも失敗しないことの方が目的と思えるようなこともあります。しかし失敗が人間を人間にするように思います。成功は海に浮かんでいる氷山のようなもので、海の中の見えない失敗があってはじめて成り立つものだと思います。失敗のない成功なんてのは本物ではありません。苦労がない人生も本物ではありません。本物の真理も苦労なくしては得られません。聖書の言葉も、なぜだ、どうしてだ、と格闘してこそ神の言葉となるのだろうと思います。聖書は単なるありがたい話ではありません。だから失敗しない、挫折しない、苦労しない人間にろくなのはいません。やさしさは苦労し、涙したものの特権です。・・と思いませんか。