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雑 記 帖
キャンプ
2月になってプロ野球のキャンプが始まったそうだ。スポーツニュースでも毎日その様子が伝えられている。あんなつまらないニュースはない、と思う。誰がどんな練習をしようとそんなことにどうしてあれほど時間を割くのだろうか。他のスポーツの公式の試合がいろいろあるのに、誰それが風邪をひいて練習を休んだ、なんてことを伝える必要がどこにあるのだろうか。
本当はどうか知らないが、これはきっとテレビ局のおじさんたちの野球好きが原因に違いない、とひとりで考えている。というかおじさん達は野球のことしかわからない、あるいは1年中野球のことしか考えられないに違いない。
どうでもいいけどあのキャンプのニュースは早くやめて欲しい。そんな暇があったら他のスポーツを取り上げてほしい。
轢き逃げ
先日轢き逃げ事故の犯人を追いかける警察のテレビがあった。このての番組は警察の広告みたいでいやな時も多いのだが、この前はそれよりも犯人の方に気持ちが集中して見入ってしまった。
なんとその犯人は車を友達に預け仕事も辞め、未だに逃げているというのだ。そして全国に指名手配されている、ということだった。
デートをした後、酒を飲んで車で帰る途中に雨の中横断してきた人を轢いてしまったそうだ。酒を飲んでいたからやばいと思って逃げたのだろうか。トラック運転手だそうだから仕事にもさしつかえるだろう。それとも人を轢いてしまったショックで冷静さを失ったためだったのか。
逃げながら何を考えているんだろうか。後悔と罪悪感とでいっぱいだろうか。彼はそんなつらさをずっと背負っていくんだろうか。
自分が人を轢いてしまったらどうするだろうか。その人が死んだらどうするだろうか。とてもその重荷を自分一人で背負えそうにない。
たまたま今まで自分の車の前にそういう人が飛び出してこなかっただけのような気がしてならない。
山がこわれてる
いつだったか高速道路から見える山を見て娘が「山がこわれてる」と言った。
そこには土砂が削り取られている山があった。
大人はどんどん地球を壊しているのかもしれない。開発、という名の下に。
味噌汁もらいな
すっかり列車マニアになってしまった息子の影響で電車の名前も随分覚えてしまった。
電車の本を持ってきては、「これ何これ?」と聞いてくれとせがむ。
「これ何これ?」 「ラピート」
「これ何これ?」 「スーパーあざさ」
「これ何これ?」 「成田エクスプレス」
「これ何これ?」 「ソニック」
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「これ何これ?」 「味噌汁もらいな」
「何?味噌汁もらいな?」
そこには、『いせしまライナー』の写真があった。
睡眠薬
牧師会にて:
退院したばかりの牧師がいて、入院中の話しになった。4人部屋だか6人部屋だかにいた時、周りの人のいびきや寝返りの音でなかなか眠れないので睡眠薬をもらっていたとのことだった。
すかさず牧師歴数十年のある牧師がひとこと、
「聖書を読めば寝れる。」
ブルータス、、、。
CAPTAIN & TENNILLE
中古のCD屋さんを覗くうちに無性に懐かしい CAPTAIN & TENNILLE の曲が聞きたくなったが、結局中古では見つからず新品を買ってしまった。その曲を聞くと昔を思い出す。
登校拒否をしている時に愛媛大学の大学病院の精神神経科だったかに行ったことがあった。最初は親と一緒に行き、二度目は自分一人で行った。国鉄と伊予鉄を松山で乗り継いで2時間くらいかかるところにあった。
通学している学生がいなくなる時間になってから家を出たので病院についたのは確か昼近かった。そこの医者と何か話したか、話さなかったかまるで覚えていない。とにかく来ることになっていたので仕方なく来たといった感じで、別に話がしたいわけでもなく早く終わればいい、としか思っていなかった。
病院を後にし、電車から見えていたポルノ映画館に急いだ。受付けのおばちゃんに何か言われたらどうしようかと思って緊張して何度か躊躇したが結局何もなくすんなり入れた。学校に行ってる時にはそんな勇気はなかった。
映画を見てから松山まで帰ってきたが家に帰る気もなくうろうろしていた。その時に買ったレコードが当時お気に入りだった CAPTAIN & TENNILLE だった。
その後松山で何をしたかよく覚えていないが暗くなるまで松山にいた。帰りの国鉄はすいていて、少ない乗客も一人ずつ減っていき、とうとうその車両にひとりだけになった。
少し寒い位だったが窓を全開にして風にあたった。駅で買ったジュースの空き缶を線路脇の電柱めがけて投げたが大きくそれた。暗闇に向かって「ばかやろー」と叫んだ。何をやってもつまらなかった。
家に着いたのは夜の11時頃だった。応接間に行きレコードをかけた。親父が来て、こんなに遅くまで何をやってたんだ、とひとこと残していった。
また16才の長い夜が始まった。
おにぎり
最近引きこもりという言葉が市民権を得てきている。俺もひきこもりだったのだろうか。
本格的に登校拒否をし始めると、だんだんと夜眠るのが遅くなり、必然的に起きるのも遅くなってきた。あのころ部屋にいて何をやっていたんだろう。毎晩毎晩ラジオは聴いていた。
ある時、理由は覚えていないが何かに腹を立てて食事を食べない時があった。しばらく食事を食べに出て来ないことを心配した母親がおにぎりを作って部屋の外に置いていった。その頃は部屋に鍵をかけて勝手に入れないようにしていた。
何かされることも、何か言われることもうるさかった。おにぎりを置いていくこともうるさい気分だった。1個だけは食べたが、残りは部屋の窓をあけて外に向かって投げた。「くそったれ、ばかやろー」と言いながら。でもそんなことをしている自分がまたたまらなくいやだった。最悪の気分だった。
あのおにぎりはどうなったのだろうか。近所の猫が食べたのだろうか。それとも誰かが拾って捨てたのだろうか。
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